お下がり半生

ただ単に3人きょうだいの末っ子と言うだけではなかったと思います。ウチは貧乏というよりお金の使い方が変でした。

小学校中学年頃は、自分の家は中流だと思っていたのに、給食費の支払いができずに担任の先生に前に呼ばれて赤っ恥かいた事もありました。

7歳上に姉がいたので持ち物は何もかもお下がりでした。ランドセル、鉛筆、定規、たて笛、彫刻刀、体操着・・・・、一番多かったのは洋服。ウンザリする程、姉のお下がりを着ました。

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裕福な子が多い団地に生まれ育った事、当時はバブル崩壊前だった事がより一層、私の姿をみすぼらしくさせていたと思います。

姉からだけでも嫌なのに、母はいとこや近所で引っ越す人からも服をもらってきていました。学校で恥をかきたくないのでできるだけお下がりでない物を身につけたかったんですが・・・・。

極めつけは遠足と修学旅行。皆、遠足の時に真新しい、ポケットいっぱいのカッコいいリュックサックを背負ってきます。私だけ年代間違えた7つ上の姉のお下がり。

遠足の休憩場所の原っぱで担任の先生が私のリュックを「これ、誰のですか~?」と同学年全員の前で高々と掲げてるのを見た時は逃げ場所が欲しかったです。

修学旅行の初日、集合場所に着いた時も唖然としました。皆、オシャレしてて真新しく鮮やかで大きなリュックを背負ってました。リュックと“写ルンです”持っていなかったのは私だけでしたね。

小学校の卒業式はウチのところは私服だったんですが、やはり皆お姫様みたいなオシャレしてきてました。やれ私立の受験で着ただの、ピアノの発表会で着ただの消えたくなるような言葉を聞かされました。

中学の制服ももちろん姉のお下がり。1人だけ制服の紺色が色褪せてました。

高校だけは姉と違う学校に合格できたので新しい制服を着る事ができました。ハッピーでした(*^_^*)。もし同じ高校だったらまたお下がり着るところでした。

私が自由を謳歌したいという気持ちが人一倍強いのもそんな経験があったからでしょうね。